監修:相模大野駅前タワー整形外科・リウマチ科 伊藤淳 院長
薬物療法の次に関節リウマチの治療方法の基本となるのがリハビリテーション療法、具体的には「運動療法」と「温熱療法」です。
運動療法の目的は、関節が固くなって筋肉がおとろえてしまうのを防ぐことです。ですから運動といっても身体を鍛えるものではなく、“絶対に無理はしない”という範囲で日常的に身体を動かす習慣をつけることだと考えてください。
リウマチ患者のために考案されたリウマチ体操は、関節を動かし筋力をつけることができるように、首、肩、足、膝、手など、全身の関節を動かすようになっています。このリウマチ体操を、少しずつでも毎日の習慣として行うことが大切です。
このように症状に合わせた運動の仕方がありますが、運動してよいかどうかは自己判断せずに医師に相談し、運動を勧められたら自分に適した運動の種類や回数について医師や理学療法士の指導を受けてください。
その他、天気や気候がいい日であれば散歩することもお勧めです。ゆっくり歩くと運動になりますし、また関節リウマチに悪影響を与えるストレスを発散することもできるからです。もし歩くのが大変だった時は、身体の浮力を利用して関節への負担を和らげるプール内での水中歩行などの運動でも十分です。
温熱療法の様子
一方、温熱療法ですが、痛みが強い関節を温めることで痛みやこわばりを和らげる効果があります。痛みがなかなか取れないような時には、関節を温めると血液の循環が良くなるので、老廃物や痛み物質の排出が促されて痛みが和らぎます。家では、お風呂に入ることが有効ですが、もっと手軽に温熱療法をしたいと思ったら、医療用のホットパックなどが販売されていますから、そうしたものを上手く利用すれば、家庭でも手軽に温熱療法ができます。
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