監修:相模大野駅前タワー整形外科・リウマチ科 伊藤淳 院長
日常生活での注意点
関節リウマチは、普通に暮らす上でも、いろいろと注意が必要な病気です。
最も注意すべき点は睡眠時間です。夜更かしは避けるのはもちろん、寝たりないなと感じた時は昼寝をするなどして、とにかく十分な睡眠時間を取るように心がけましょう。
さらに、ストレスも関節リウマチを悪化させますから、心を落ち着けて過ごすことも大切です。病気にかかると、いろいろと心配になるのは当然ですが、できるだけ余計な心配をせずに何事も前向きに捉えるようにしましょう。
また喫煙は関節リウマチの発病との関連性が指摘されています。関節リウマチになると発症しやすい肺の空気が入る部分である肺胞を除く、主に肺を支える役割を担っている『肺の間質』を中心に炎症が起きる「間質性肺炎」を悪化させる可能性があります。その他、関節リウマチには直接関係しませんが、肺がんを起こしたり、血圧などにも影響を与えたりするので、喫煙習慣があれば、すぐに止めた方がよいでしょう。
かばんは肩にかけて持つ
そして、身体を動かす時にも、なるべく重たいものを持たないようにし、荷物やバッグを持つときは手先で持たず肩にかけて持つなど、できるだけ関節に負担がかからないように気をつけることが大切です。ちなみに、下を向いて本を読むなど、ちょっとした日常生活における行動でも、同じ姿勢を保つのは、せいぜい20分程度にするなど注意を払いましょう。
調理時の膝の負担は
高い椅子を利用しましょう
またキッチンでは、膝や股関節に負担をかけないように座面の高いイスを置くなど関節にかかる負担を軽くする工夫も大切です。
ボトルオープナーやハサミは、
指の関節に掛かる負担を
減らすことができます
最近は関節への負担を減らす便利グッズも多くなってきました。例えば指先ではなく手のひら全体で握って開けられるボトルオープナーやハサミなどを使えば、指の関節に掛かる負担を減らせます。このように日常生活を見直していくことが大切です。
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