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関節リウマチの症状や検査方法について 監修:相模大野駅前タワー整形外科・リウマチ科 伊藤淳 院長

(1)関節リウマチとは

「関節リウマチ」は、全身の骨や関節や筋組織などの『運動器』が炎症を起こす「リウマチ性疾患」の中でも、特に関節に炎症が続く病気のことをいいます。炎症が進むと、関節が変形を起こすなどの傷害が生じ、手足に著しい機能障害を生じる危険性の有る疾患です。

発症した初期の段階では、最も特徴的な症状は「腫れ(腫脹)」が起こることです。また、俗に『きりで刺されたような痛さ』と言われているように、激しい痛みを感じるようにもなります。

初期の段階では、関節の痛みがわずかで、身体のだるさ、熱が続くなど、風邪に似たようなはっきりしない症状が続こともあります。その他、朝起こした時に手指がこわばり握りにくいとか、全身の関節がこわばって何となく全身の動きづらさを感じるとかといった症状が出る場合もあります。

手のこわばりや、手指の関節の腫れ

同じように関節の腫れや痛みを特徴とする「変形性関節症」という病気がありますが、変形性関節症は、主に年齢とともに関節軟骨がすり減ることにより発症するので、膝に体重がかからない安静時などは、痛みが治まる点が関節リウマチとは違っているので、判断ができます。

関節リウマチが発症しやすい部位

女性の発症率が高い原因の1つは、女性ホルモンにあります。女性ホルモンは自己抗体の働きを活発にするだけでなく、関節の破壊を進行させる炎症成分を活性化すると考えられており、特に出産後や閉経前後など女性ホルモンのバランスが変化しやすい時に発症しやすいと言われています。

現在の日本で関節リウマチにかかっている人は、およそ1000人に5人ぐらいとだといわれています。さらに最近では、60歳ぐらいになってから男女に発症する「高齢発症関節リウマチ」も増えてきています。

関節リウマチと診断された年齢