関節リウマチの症状や検査方法について 監修:相模大野駅前タワー整形外科・リウマチ科 伊藤淳 院長
ひどい腫れと痛みが出る「関節リウマチ」が起こる原因は、実は、現在でもはっきりとは分かっていません。また、炎症が続く理由も不明です。
しかし、そのメカニズムは分かっています。
生物は体内に侵入してきた細菌やウイルスなどの外敵や異質なものに対して、これらを排除する『免疫』という防御システムを自然に備えています。ところが、何らかの原因によって、この免疫システムに異常が生じ、自分の身体の成分や組織も外敵と判断してしまうことがあります。その結果、免疫システムが自分の身体や組織も攻撃し、排除しようとして炎症が起こります(これを医学的には「炎症性自己免疫疾患」といいます)。この免疫システムの異常は、全ての組織や臓器で起きますが、特に関節に起こるのが関節リウマチというわけです。
何をきっかけに、こうした免疫システムの異常が起こるのかは、今も不明です。ただ、ウイルスの感染やストレス、身体の中のホルモンのバランスの乱れなどをきっかけに起こることが研究報告されており、遺伝子も関係していることが認められています。
遺伝的な問題としては、免疫に関係の深い遺伝子に「HLA」というタンパク質があるのですが、関節リウマチになった人には「DR4」というタンパク質で作られたHLAをもっている人が健康な人の4~5倍いるという報告がなされています。ただし、遺伝といっても身内に関節リウマチになった人がいた場合、用心は必要ですが、かならず発症するわけではありませんので、過度に心配することはあせん。
「関節リウマチ」の基礎知識 記事一覧