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関節リウマチの症状や検査方法について 監修:相模大野駅前タワー整形外科・リウマチ科 伊藤淳 院長

(3)関節リウマチが悪化するとどうなる?

関節リウマチの症状には個人差がありますが、治療もせずに、そのままにしておくと通常進行していくのは同じです。
実は、少し前まで関節リウマチは、発症当初はゆっくりと進行し、発症から約10年すると、急速に関節の破壊が生じると考えられていました。しかし最近の研究で、関節破壊は発症後間もない時期から始まり、さらに最初の2年間で急速に進行することが分かっています。

関節破壊の進行

関節リウマチの初期では関節の腫れや痛みはそれほど強くない場合でも、実は関節の内部では炎症が続いていて関節破壊が少しずつ進行しています。ですから、関節リウマチと分かったなら、すぐに治療を受ける必要があります。

関節リウマチの発症

関節リウマチが悪化すると、腫れと痛みによって歩行はもちろん、少し身体を動かすのも大変になります。また、さまざまな合併症を引き起こす可能性も高くなります。

ちなみに、関節リウマチの治療は、生活指導を含む基礎療法、薬物治療、外科治療、リハビリテーションが“治療の4本柱”といわれています。

最近は、関節リウマチと診断されればすぐに抗リウマチ薬による治療を開始することが推奨されています。しかし、薬を使っても関節リウマチが治まらない場合や関節リウマチによる関節破壊が進行してしまっている場合には、手術を行うこともあります。手術すれば、痛みの軽減や関節の動きや安定性(支えること)の改善が期待できます。